孤独少女は触手と愛を紡ぐの物語

ひとりぼっちで暮らしていた少女は、ある日、透明なスライムと出会う。
名前もなく、言葉も話せないそのスライムは、凍えて紫色になった彼女の指先に、やさしくとろけるように絡みついた――
それは、彼女が初めて感じたぬくもりだった。
少女とスライムのふしぎな同居生活が始まる。
ユイは彼に文字を教え、歌を歌い、誰かを抱きしめる方法を伝える。
スライムもまた、不思議な魔力で彼女の傷を癒し、孤独を追い払い、
そして……彼女が涙を流したとき、そっとその手を取ってくれた。
「『好き』ってよくわからない……でも、君が笑うと、僕は光るんだ。」
本作は、言葉を持たない生き物と、心を閉ざした少女が
互いを救い合う姿を描く、幻想的で透明な純愛ファンタジー。
*正文27p




